都知事選の掲示板 購入問題ってどういうこと？「掲示板ジャック」と法律の盲点、専門家の見解を解説

政治団体「NHKから国民を守る党（NHK党）」が、寄付を募って選挙掲示板のスペースを提供するという手法が話題になっています。

この行為が「掲示板ジャック」とも呼ばれ、選挙制度の公平性や法律の穴を突いた行為として議論を呼んでいます。本記事では、この「都知事選 掲示板 購入問題」について深掘りし、その問題点や法律の穴について解説します。

 

都知事選 掲示板 購入問題が浮き彫りにする法律の穴と問題点

この都知事選の掲示板をジャックしてる「カワイイ私の政見放送を見てね」のポスター、QRコードからアクセスすると詐欺サイトに繋がるらしいので警視庁は裸選挙ポスターだけじゃなく至急こちらも取り締まってください

てか東京都民、なんの罰ゲーム受けてんだよ！😫 pic.twitter.com/zyPKwNbv5N

— あーぁ (@sxzBST) June 20, 2024

都知事選掲示板 購入問題とは？

東京都知事選挙には、これまでにない数の候補者が立候補。その中で、NHK党が寄付者に選挙掲示板のスペースを提供するという手法を用いています。

NHK党は、寄付を募ることで都内の選挙掲示板に貼るポスターのスペースを提供しています。この手法が「掲示板ジャック」とも呼ばれ、選挙制度の公平性を揺るがすとして問題視されています。

特に、掲示板のスペースが限られている中で、特定の団体が多数のスペースを占有することが問題なんですね。

 

NHK党の「掲示板ジャック」手法

NHK党は、都内の選挙掲示板に貼るポスターのスペースを寄付者に提供。寄付額は月ごとに異なり、6月20日からは一口3万円という価格設定になっています。

寄付者は自分のYouTubeチャンネルやSNSのQRコード、ペットの写真などをポスターに掲載できるため、多くの人々がこの手法に注目しています。全裸ポスターも問題になっていますね、

ホストに借金を背負わされ「売春」させられる少女や女性が多く立つ大久保公園の都知事選掲示板には大量のホストのポスターが。

世界屈指の性売買スポットとして有名になり、日本人(若者から高齢者まで)だけでなく、世界中から買春者が集まる場所。

出会い系サイトや風俗店のポスターが貼られている掲… pic.twitter.com/rpu3LUFfaM

— 仁藤夢乃 Yumeno Nito (@colabo_yumeno) June 21, 2024

 

立候補にかかる費用と販売による利益

NHK党が立候補する24人の候補者に対して、それぞれに300万円の供託金が必要です。これにより、総供託金は以下の通りになります。

• 24人 × 300万円 = 72,000,000円（7,200万円）

次に、寄付を募って得られる収益について計算します。

収益

NHK党が掲示板のスペースを販売することで得られる収益は、以下の通りです。

• 5月に販売した場合
  • 一口5,000円 × 14,000箇所 = 70,000,000円（7千万円）
• 6月1日～19日に販売した場合
  • 一口10,000円 × 14,000箇所 = 140,000,000円（1億4千万円）
• 6月20日以降に販売した場合
  • 一口30,000円 × 14,000箇所 = 420,000,000円（4億2千万円）

損益計算

収益から総供託金を差し引いた損益は以下の通りです。

• 5月に販売した場合
  • 収益：70,000,000円
  • 供託金：72,000,000円
  • 損益：70,000,000円 - 72,000,000円 = -2,000,000円（200万円の損失）
• 6月1日～19日に販売した場合
  • 収益：140,000,000円
  • 供託金：72,000,000円
  • 損益：140,000,000円 - 72,000,000円 = 68,000,000円（6,800万円の利益）
• 6月20日以降に販売した場合
  • 収益：420,000,000円
  • 供託金：72,000,000円
  • 損益：420,000,000円 - 72,000,000円 = 348,000,000円（3億4,800万円の利益）

このように、販売するタイミングによって損益は大きく変わります。5月に販売した場合は損失が出ますが、6月以降は大きな利益を得ることができます。これも大きな問題ですよね。

尊師は自分の経営能力に対する評価基準を提示

・都知事選に30人出すこと
・ポスター掲示板の寄付の収支
　3万円で2000箇所売れればチャラ
　1万箇所以上売れれば億単位の利益

選挙でも利益を上げられる人が政治をやるべき
優良企業に出資したのと同じ信頼に答える自信がある pic.twitter.com/nHSWdeVLfd

— --- (@GoroGor68621807) May 25, 2024

法律の穴が生む問題点

この「掲示板ジャック」手法は、選挙掲示板の枠を事実上「販売」するものであり、法律の穴を突いているとの批判があります。

以前、『法律は時代を写す鏡』というポストをした。今回の都知事選を契機に、公職選挙法は改正されるだろう。何故なら、掲示板に、何を貼るかは定められていない。仕掛人は、N党の立花氏。あのガーシー元議員が所属していた、と言えば分かり易い。法律の穴だ。

— トトロッチ (@8qPudHQ8Ogc9y3r) June 20, 2024

総務省の選挙担当者は、虚偽の内容や他の候補者の選挙運動に関わる内容、法令に触れる内容以外は制限がないと述べています。

具体的には、総務省の選挙担当者が指摘するように、現行の法律ではポスターの内容に特段の制限がありません。これにより、NHK党の立花孝志党首が掲示板のスペースを寄付者に提供するという斬新な手法が現れました。

 

選挙掲示板購入問題に対する専門家の見解

選挙制度の専門家である法政大学大学院の白鳥浩教授は、「この手法は選挙制度への信頼を損なう」と指摘しています。

また、早稲田大学の教授日野愛郎氏も、「法律の穴を突いている」と批判しています。選挙には多額の税金が投入されており、公的なスペースを事実上転売する行為は、制度の趣旨に反すると言われています。

特に、選挙掲示板のスペースが税金で賄われていることを考えると、この手法は制度の趣旨に反するものであるとの意見が強いです。

Q&A

都知事選掲示板購入問題とは何ですか？

NHK党が寄付者に選挙掲示板のスペースを提供することで、選挙掲示板を事実上「販売」している問題です。

何が問題視されていますか？

この手法は選挙制度の公平性を損なう可能性があり、法律の穴を突いているとの批判があります。

総務省の見解は？

総務省は、虚偽や他の候補者の選挙運動に関わる内容、法令に触れる内容以外は制限がないと述べています。

専門家の意見は？

専門家は、この手法が選挙制度への信頼を損ない、制度の趣旨に反すると批判しています。

 

【まとめ】都知事選の掲示板 購入問題ってどういうこと？「掲示板ジャック」と法律の盲点、専門家の見解を解説

東京都知事選挙の掲示板購入問題は、選挙制度の公平性と法律の穴を突いた手法として大きな議論を呼んでいます。

NHK党の手法は現行法では禁止されていませんが、その倫理性や選挙制度への影響が問われています。今後、この問題を解決するためには、法律の見直しや新たなルール作りが必要になるでしょう。

選挙制度の信頼性を維持するために、私たち有権者もこの問題に関心を持ち、適切な判断をすることが求められています。