【独自考察】イロモネア審査員への誹謗中傷はなぜ起きる?笑わない人が生まれる「顔リセット」指示と視聴者心理を徹底解説

2025年12月29日の年末スペシャル放送後、SNS上で「笑わない審査員」への誹謗中傷が過熱しました。2026年1月3日、TBSが異例の注意喚起声明を発表するほどの事態に発展しています。

この記事では、元審査員の証言をもとに、一般審査員が「鉄仮面」になってしまう構造的な理由と、視聴者が無意識に抱く攻撃的な心理について解説します。

この記事でわかること

  • 審査員が笑わない本当の理由
  • 「お顔のリセット」指示の存在
  • 11時間収録の過酷な実態
  • 誹謗中傷が起きる心理メカニズム
  • 番組制作側が負うべき責任
  • 視聴者が持つべき新しい視点

 

イロモネアで笑わない人(審査員)が炎上する本当の理由──テレビに映らない「顔リセット」と11時間収録の真実

なぜあの人だけ笑わないのか?──100万円がかかった残酷なルール

なぜあの人だけ笑わないのか?100万円がかかった残酷なルール

まず、番組のルールを確認しておきます。

100名の一般審査員から無作為に選ばれた5名が審査を行い、1stから4thチャレンジまでは3人以上、ファイナルステージでは5人全員を笑わせなければ芸人は100万円を獲得できません。つまり、最後の1人が笑わなければ、すべてが水の泡。

2025年末の放送では、アンガールズが番組最多の13回目の挑戦にして3度目の100万円を獲得し、内村光良さんも61歳(還暦)の記念挑戦で見事100万円を手にしました。感動が大きいほど、クリアできなかった時の「笑わなかった最後の一人」への憎悪は高まります。

ここで考えてみてください。あなたが結婚式でスピーチをしている時、会場中が盛り上がっているのに、最前列の一人だけが腕組みをして無表情だったらどう思いますか?

「私の話、つまらないのかな?」「何か気に障ることを言ったかな?」と不安になりますよね。周りが笑っている中で、一人だけ冷めた表情の人がいると、その人の存在だけが異様に大きく感じられます。

まるで自分を否定されているような、そんな気持ちになるんです。

イロモネアを見ている視聴者も同じ。芸人に感情移入しているため、審査員の無表情を「攻撃」や「拒絶」と捉え、強い不快感を覚えてしまいます。でも実際は、その審査員も必死に「ちゃんと審査しなきゃ」と緊張しているだけなんですよね。

この認識のズレが、炎上の火種になっているんです。

 

「お顔のリセット」知られざる演出指示が生む仏頂面

「お顔のリセット」知られざる演出指示が生む仏頂面

多くの視聴者が「サクラではないか?」「笑わないように指示されているのでは?」と疑っています。でも、実際の元審査員の証言からは、全く逆の事実が浮かび上がってきました。

2009年12月のイロモネア収録に参加した元審査員の体験記(※)によると、収録現場で行われる「お顔のリセット」という指示が最も大きな要因だといいます。

審査員は収録とは別の日にTBSで「説明会」を受けるのですが、そこでスタッフからこう言われるそうです。

「芸人さんのネタが始まるとき、一度お顔をリセットしてください」

具体的には「口を閉じて、歯を見せないようにしてください」という指示です。MCのウッチャンナンチャンとのトークで笑った顔を引きずったまま審査に入ると、厳正なジャッジができないからです。

つまり、テレビに映る「仏頂面」は、彼らが不機嫌なのではなく、真剣に審査をするために表情をゼロに戻している瞬間なんです。一度口を閉じてしまうと、人は再び笑うために大きなエネルギーを必要とするため、結果として表情が硬直しやすくなります。

私が思うに、これは番組側が求める「フェアな審査」のための措置なんでは?と。でも、視聴者にはそれが「冷淡な態度」に見えてしまう。ここにギャップがあるんです。

元審査員の体験記

11時間の過酷な収録──眠気と疲労で笑えなくなる現実

11時間の過酷な収録──眠気と疲労で笑えなくなる現実

審査員は単にお笑いを楽しんでいるわけではありません。同じ元審査員の証言(※)によると、

  • 集合時間:午後3時20分
  • 収録終了:翌日午前2時30分
  • 拘束時間:約11時間

という過酷なスケジュールだったそうです。疲労と眠気で、生理的に笑いの反応が鈍くなるのは避けられません。元審査員本人も「正直ネタ中ちょっと眠りそうになりました。最悪です。でも仕方ない」と正直に語っています。

さらに、「自分のジャッジで100万円が決まる」「カメラに撮られている」というプレッシャーは相当なもの。「たかがこんなことで笑っていいのか?」という変な意地や、中学生のような自意識過剰さが生まれ、素直に笑えなくなる心理状態に陥るんです。

元審査員は、スタジオで「笑わないでください」という指示を一度も受けなかったと証言しています。むしろ終始「どんどん笑ってください!」という盛り上げ方が貫かれていたそうです。

なるほど、と思いませんか?家でリラックスしてテレビを見るのと、カメラの前で11時間審査員として座るのでは、状況がまったく違うんですよね。

 

「指男」も審査員だった!一般人だけじゃない意外な事実

「指男」も審査員だった!一般人だけじゃない意外な事実

「笑わないサクラがいる」という噂は絶えませんが、審査員は完全に無名の一般人だけではありません。

2025年2月の放送では、SNSの総フォロワー数が400万人を超える「指男(Yubio)」氏が偶然審査員として選ばれていました。指男氏は自身のX(旧Twitter)で「もちろんすぐに笑いました」と投稿しています。

このように「顔を知っている人」が混ざることで、視聴者が過剰に反応してしまうケースもあるんです。ただ、指男氏のケースを見ると、彼はちゃんと笑っていた。つまり、「有名人だからサクラ」という図式は成り立たないんですよね。

審査員は一般募集で集まった人たちで、番組側が「笑え」「笑うな」という指示を出しているとは考えづらいんです。むしろ、非日常的な環境(カメラ、照明、長時間収録)が審査員の自然な笑いを阻害しているんだと思います。

誹謗中傷が起きる危険な心理メカニズム

TBSは公式サイトの声明

2026年1月3日、TBSは公式サイトで以下のように声明を発表しました。

「当番組は、一般審査員100名の方々にご参加いただいており、こうした審査員の皆様のジャッジにより番組が成り立っております。この度の特番放送において審査員の方々を誹謗中傷するようなインターネット上の書き込みが見られますが、このような行為はお控えいただくよう、お願い申し上げます」

なぜ、ここまで事態は深刻化したのか?

視聴者は、汗をかいて頑張る芸人に対し、擬似的な親近感(パラソーシャル関係)を抱きます。そのため、笑わない審査員を「芸人の努力を否定する敵」とみなし、「代理報復」として攻撃を行います。

「正義感」に基づいているため、攻撃している側は自分が「加害者」になっていることに気づきにくいのが特徴です。

SNSでは「あの審査員ありえない」「絶対サクラでしょ」といった書き込みが拡散されますが、その裏には純粋な「芸人がかわいそう」という感情がある。でも、それが一般人への攻撃に転じてしまっている。

 

番組制作側が負うべき責任は一般人を矢面に立たせる構造

番組制作側が負うべき責任は一般人を矢面に立たせる構造

ここで忘れてはならないのは、番組制作側の責任です。

「5分の5」というルールが生むドラマ性は魅力的ですが、「笑わなかった最後の一人」をカメラがアップで抜き続ける演出は、意図せずともその一般人を「ヒール(悪役)」に仕立て上げています。

TBSが声明を出したことは評価されるべきですが、一般人を矢面に立たせる構造そのものを見直す時期に来ているのかもしれません。

たとえば、審査員の顔をあまりアップで映さない、あるいは「笑わなかった理由」を簡単に説明するテロップを入れるなど、工夫の余地はあると思います。番組側が「お顔のリセット」という指示を出しているなら、それを視聴者にも伝えるべきかなと。

心理的安全性の視点「笑わない自由」を許容できますか?

心理的安全性の視点「笑わない自由」を許容できますか?

イロモネアの審査員が笑わない理由は、性格の悪さやサクラの指示ではありません。

  • 「顔リセット」という厳格なルールの遵守
  • 長時間(約11時間)の疲労
  • テレビカメラの前の極度の緊張

が、彼らの表情を凍らせているんです。

次に「笑わない人」を見かけたときは、こう思ってみてください。

「ああ、今この人は、面白くないんじゃなくて、必死に『審査員』という役割を演じようと戦っているんだな」と。

そう視点を変えるだけで、イライラは消え、番組をより深く楽しめるはず。多くの記事は「サクラか否か」に終始しますが、本質は一般人が非日常空間(スタジオ)に放り込まれた時の心理的な凍結反応です。

これを理解することで、読者の「なんで笑わないんだ!」という怒りを、「緊張してるんだな」という同情に変えることができます。

この「心理的安全性」の視点を持つことが、誹謗中傷を防ぐ最大のリテラシーだと私は考えます。

 

まとめ:審査員誹謗はなぜ?イロモネア笑わない人の心理とイロモネアを楽しむための3つの視点

  1. 審査員は「お顔のリセット」指示で表情が硬直する
  2. 11時間の過酷な収録で疲労と緊張が笑いを奪う
  3. 番組制作側も一般人保護の配慮が必要

次回イロモネアを見るときは、「笑わない審査員」を批判するのではなく、彼らがどれだけプレッシャーの中で審査しているかを想像してみてください。そうすれば、番組の見方が変わるはずです。

覚えておきたいポイント

  • TBSが2026年1月3日に異例の声明発表
  • 5人全員が笑わないと100万円獲得不可
  • 「お顔のリセット」で表情が硬直
  • 収録は約11時間(午後3時〜翌2時半)
  • 「笑うな」という指示は一切出ていない
  • 疲労と緊張で笑いの反応が鈍くなる
  • 指男(400万フォロワー)も審査員経験あり
  • 視聴者の正義感が攻撃に転じる構造
  • カメラのアップ演出が炎上を助長
  • 「笑わない自由」を許容する視点が必要