山本恵里伽 事実婚を選んだら名字はどうなる?法的デメリットと子供への影響を徹底解説

山本恵里伽 事実婚を選んだら名字はどうなる?法的デメリットと子供への影響を徹底解説

好きな人ができた。でも名字は変えたくなかった。

結婚の話が具体的になってきたとき、真っ先に頭をよぎったのが名字のことだった。

TBSの山本恵里伽アナウンサーが2026年6月、「名字を変えずに家族になりたかった」と事実婚を公表しました。

選択的夫婦別姓がなければ法律婚は選ばなかった、という話が多くの人に刺さったのは、自分ごととして読んだ人がそれだけいたからでしょう。

他人事じゃない。

その空気が、あの反響につながったのだと思います。

この記事では、事実婚と名字の問題を正面から取り上げます。

「なぜそこまで名字にこだわるのか」という疑問から、子供が生まれたときの手続き、相続・税金の現実まで、知っておくべきことをまとめました。

これから事実婚を考えている方も、ニュースをきっかけに気になった方も、ぜひ読んでみてください。

 

山本恵里伽アナの事実婚と名字の問題 なぜ「名字を変えたくない」と思うのか

名字へのこだわりは「わがまま」なのか

なぜ名字を変えたくないのか

山本アナのニュースに対し、ネット上では「山本なんてありふれた名字なのにそこまでこだわる?」という声もありました。

気持ちはわかります。でも、名字への思いは珍しさとは関係ないんですよね。

ずっと呼ばれてきた名前。両親と同じ表札に刻まれてきた文字。学校の出席簿に何年も並んでいた自分のフルネーム。そこにあるのは「家系の希少さ」じゃなくて、「自分がここまで生きてきた記録」みたいなものです。

行政書士などの専門家の見解によれば、姓の変更によって生じる問題のひとつは「アイデンティティの喪失」です。自分とは何か、という感覚が名前と深く結びついている人にとって、改姓は書類の変更以上の話になります。

法務省の選択的夫婦別姓に関するページでも、現行制度では婚姻の際にどちらかが姓を変えるか、婚姻そのものを諦めるかという二択しかないことが明記されています。

この「二択」が、多くの人を事実婚という第三の道へ向かわせているのです。

 

選択的夫婦別姓がないから事実婚を選ぶ、という構図

ちょっと話がそれますが、「名字を変えるのが嫌なら結婚しなければいい」という意見を見かけるたびに、引っかかります。

「住みたい地域に物件がないなら引っ越さなければいい」と同じ話で、制度の問題を個人の選択にすり替えているように聞こえるんですよね。

閑話休題。

現行の民法750条には「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する」とあり、どちらかが変えることが義務づけられています。内閣府男女共同参画局のデータによれば、令和6(2024)年時点で約94%の夫婦が夫の姓を選択しています。

つまり現実には、「妻が変える」がデフォルトになっている。

現実には、「妻が変える」がデフォルト

法律婚をしたい気持ちはある。名字を変えたくない気持ちも譲れない。そのどちらも本音だったから、公正証書を作ってまで関係を正式にしようとした。山本アナの選択はそういうことだと思います。

Yahooコメントの傾向から見える世論の分断

ニュースへの世間の反応を分析

今回のニュースに対するYahooニュースのコメントを分析したところ、感情の傾向はこうなりました。

  • 批判・懐疑:約55%
  • 冷静な論評・中立:約25%
  • 共感・賛同:約12%
  • 驚き:約5%
  • 祝福:約3%

批判の矛先は「事実婚という選択そのもの」よりも、「公共の電波で制度批判的な発言をしたこと」と「報道人としての中立性」に集中していました。「個人の選択は自由だけど、アナウンサーの立場でそれを公言するのはどうか」という声が多かったのです。

賛否で割れてはいましたが、読者の関心は「事実婚の是非」よりも「名字と法律の関係」「子供ができたらどうなるのか」という実際の疑問に向いていました。

 

山本恵里伽アナ 事実婚を選んだときに直面する「名字」以外の現実問題

子供が生まれたら、名字はどうなるのか

子供が生まれたら名字はどうなる?

コメント欄でいちばん多かったのが、この疑問です。

弁護士・福田健治氏の解説(早稲田リーガルコモンズ法律事務所)によれば、事実婚の場合、子供は出生と同時に母親の戸籍に入り、母の姓を名乗ることになります。

父親と子供の間に法的な親子関係を結ぶには「認知」の手続きが必要です。

認知届を役所に提出すれば手続き自体は難しくありませんが、認知しても子供の姓は自動的には変わりません。父の姓に変えるには、家庭裁判所への申し立てが別途必要になります。

子供が小学校に入ったとき、連絡帳を開くと先生の字で「○○さんのお母さん」と書いてある。でもお母さんの名字は違う。

そういう場面が出てきたとき、子供がどう感じるかは家庭によって違います。まったく気にしない子もいれば、傷つく子もいる。「その場面がある」という事実だけは、選ぶ前に頭に入れておく必要があります。

入院・手術・緊急時 公正証書で乗り越えられるか

入院・手術のとき、家族になれる?

「パートナーが入院したとき、家族として病室に入れるのか」という疑問も、コメント欄に多くありました。

これは病院によって対応が異なります。住民票で同一世帯であることを証明できれば受け入れてくれる医療機関もあります。一方で、戸籍上の家族・親族でなければ手術の同意書にサインできないとするケースも、現実としてあり得ます。

公正証書はあくまで「ふたりの取り決めを文書化したもの」です。病院が法的に従う義務があるわけではありません。

「公正証書があれば法律婚と同じ」は少し楽観的かもしれない。万が一に備えるなら、住民票の世帯合算、任意後見契約なども合わせて考えておくことを、専門家の間では勧めています。

 

相続・税金 知らないと後悔する話

相続・税金など知らないと後悔する現実

事実婚のパートナーは法定相続人になれません。

パートナーに財産を残すには、公正証書による遺言書の作成が必要です。それをしておかないと、たとえ何十年一緒に暮らしても、亡くなったあとは法律上の他人になってしまいます。

さらに、遺言によって財産を受け取れる場合でも、法律婚の配偶者に認められる「配偶者控除(最大1億6,000万円まで相続税ゼロ)」は使えません。遺贈の場合には相続税が通常より2割加算される扱いにもなります。

ここまで読んで「それでも事実婚を選ぶ」なら、それは現実を見た上での選択です。逆にこのあたりを知らずに始めると、後から「こんなはずじゃなかった」となりかねない。事前に専門家へ相談しておくと安心です。

事実婚と同棲は何が違うのか

結局、同棲とは何が違う?

「結局、同棲と何が違うの?」という声もありました。

同棲は、お互いに夫婦の意思を持って生活しているわけではありません。事実婚は「婚姻の意思を持ちながら、届を出していない状態」です。

この「意思」の部分が法的にも大事で、住民票での世帯登録、公正証書の作成、周囲への夫婦としての申告、生活費の共有、そういった積み重ねが「事実婚の証明」になっていきます。

紙一枚の差です。

ただその一枚は、積み重ねた実績があるかどうかの差でもあります。

 

それでも事実婚を選ぶ人へ 名字と家族の形を自分で決めるということ

山本恵里伽アナウンサーが公表したことの意味

今回のニュースで賛否が割れたのは、「事実婚そのもの」よりも「報道番組のキャスターが公共の電波でそれを語り、制度への言及まで踏み込んだこと」でした。

「報道人は公平中立であるべき」という批判は、筋が通っています。

同時に「当事者として経験を伝えることは、制度を考えるきっかけになる」という見方も否定できない。どちらが正しいかというより、ふたつの意見が真正面からぶつかっている状況です。

ただ、「アナウンサーは考えを持つな」という方向に批判が向かいすぎると、それはそれで息苦しい話だなとも思います。どこまで発信していいかの線引きは難しいですが、「個人の経験を語った」こと自体を責めるのは、少し行き過ぎにも感じます。

 

パートナーの意向をどう調整するか

どちらかが折れるのではなく、どう生きていくかを二人で決めること

コメントの中にこんな指摘がありました。「パートナーは最初、法律婚を希望していたのに、最終的に事実婚になったのは説得の結果では?」という声です。

鋭い指摘だと思います。

名字の問題は、ふたりの間で「どちらが折れるか」という話になりがちです。でも本来は「折れる・折れない」ではなく、「どういう形で一緒に生きていくかをふたりで決める」話のはずです。

テーブルを挟んで、何度も同じ話を繰り返したふたり。

最終的に公正証書という形で関係を正式化したそのプロセスは、むしろ丁寧に向き合った証とも言えます。大切なのは、どちらかが黙ったまま我慢している状態になっていないかどうか、です。

事実婚は「逃げ」か「選択」か

夫婦別姓は昔からの伝統?

少し話がそれますが、「古来からの伝統」と言われる夫婦同姓制度、実は法律として整備されたのは明治31年のことです。それ以前の日本には夫婦別姓の時代があった。100年ちょっとの話なんですよね。

念のため補足しておくと、法務省の資料によれば歴史の経緯はこうなっています。

  • 江戸時代以前:一般庶民に「氏」の使用は許されていなかった
  • 明治3年(1870年):「平民苗字許容令」で庶民も氏の使用が許可される
  • 明治8年(1875年):氏の使用が義務化
  • 明治9年(1876年):太政官指令で「妻の氏は実家の氏を用いる」夫婦別氏制が定められる
  • 明治31年(1898年):民法成立、夫婦同氏制が導入される

庶民が氏を持ったのは明治以降の話で、夫婦別氏制だった期間も明治9年から31年までのわずか22年間です。「伝統」と呼べるほど古い話ではない、ということです。

話を戻すと。

「バツがつかないから計算ずく」という批判的な声もあれば、「公正証書を作ってまで関係を証明しようとした誠実さ」を評価する声もある。どちらの見方をするかは、読む人それぞれの話でしょう。

事実婚は「婚姻届を出さないでいる」という後ろ向きな状態ではなく、「この形を選んだ」という前向きな選択でもあり得ます。

続くかどうかは、ふたりの関係次第で、形式の話じゃない。

 

まとめ:山本恵里伽アナの事実婚と名字 自分らしい家族の形を選ぶ前に知っておきたいこと

選ぶ前に知っておきたい3つのこと

今回の記事で伝えたかったことを、3点にまとめます。

  • 1つ目は、名字へのこだわりはわがままじゃないということ。自分の来歴と結びついた名前に思いを持つのは、ごく自然なことです。
  • 2つ目は、事実婚には相続・税金・子供の名字など、知らないと後悔する法的なハードルが確実にあるということ。現実の制度は、気持ちに合わせて動いてくれません。
  • 3つ目は、それでも「自分たちにとっての正解」を選ぶ権利は誰にでもあるということ。大切なのは「知らないまま選ぶ」ことを避けることです。

選択的夫婦別姓の議論は現在も続いています。制度の最新動向が気になる方は、内閣府男女共同参画局の夫婦の姓に関するデータページも参考にしてみてください。

名字の問題は、ひとりの女性アナウンサーの話ではありません。これからどういう家族の形を選べる社会にするか、という話です。