「弁当屋が倒産最多」値上げも値下げも効かない訳と第3の選択肢

「弁当屋が倒産最多」値上げも値下げも効かない訳と第3の選択肢

 

「最近、近所のお気に入りのお弁当屋さんが閉店してしまった」

「久しぶりに買いに行ったら、以前よりかなり高くなっていた」

そんな経験をした人もいるのではないでしょうか。

東京商工リサーチの調査によると、2026年のお弁当屋さんの倒産は8月までに83件に達しました。これまで最多だった2025年の89件を上回ることがほぼ確実で、2年連続で過去最多を更新する見通しです。

ここで気になるのが、コメ価格には下落の兆しが見え始め、食品の消費税率引き下げも控えているという点です。

一見、お弁当屋さんにとって追い風のはずのニュースが続いているのに、なぜ倒産のペースは衰えないのでしょうか。

今回、当サイトではニュースに寄せられた732件の反響・口コミのうち、内容が具体的で分類可能だった196件を分析しました。そこから見えてきたのは、「高くなった弁当を買わない」という単純な話だけではありません。

安さを取れば手間や栄養が気になる。手間を減らせばお金がかかる。

そんなランチ選びの悩みが浮かび上がってきました。

 

お弁当屋さんの倒産が増えているのはなぜ?

お弁当屋さんの倒産は2年連続で過去最多ペース

まず、今回のニュースを整理しておきましょう。

東京商工リサーチによると、2026年のお弁当屋さんの倒産は8月までに83件。過去最多だった2025年は年間89件だったため、2026年はそれを上回ることが確実なペースです。

原因は、単純に「米が高いから」ではありません。むしろ話はその逆に近いところがあります。

コメ価格下落、消費税引き下げでも楽にならない理由

楽にならない、値上げできない理由

コメの仕入れ価格には下落の兆しが見えていますし、食品の消費税率引き下げも控えています。数字だけ見れば、お弁当屋さんの経営は少し楽になってもおかしくないはずです。

ところが実際には、肉や野菜といった食材、包装資材、電気・ガス料金の値上がり幅が大きく、コメ以外のコストがそれ以上に経営を圧迫しています。東京商工リサーチ自身も、コメ価格の下落や消費税率引き下げは好材料としながら、それ以上のコスト上昇が追い打ちをかけていると指摘しています。

「コメが下がったなら助かるはず」と思ってしまいますが、弁当屋さんに必要なのはコメだけではない、ということです。

「値上げすればいい」が簡単ではない

原材料費が上がったからといって、そのまま販売価格に上乗せすればいいわけではありません。

弁当を買う側には「弁当なら安く済む」というイメージがあります。700円、800円、1,000円と価格が上がってくると、

「そこまで出すなら定食を食べよう」

「牛丼のほうがいい」

「スーパーで買ったほうが安い」

と、別の選択肢に目が向きやすくなります。東京商工リサーチも、値上げへの理解が得られても飲食店との価格差が縮小し、お弁当に求められる「割安感」を失うことが顧客離れにつながると指摘しています。

 

競合も増え、地域差もはっきり出ている

スーパー、コンビニ、フードデリバリー、キッチンカーに加えて、最近はドラッグストアも総菜分野に参入しています。昼食を買える場所は年々増えており、弁当屋さんにとっては厳しい環境です。

2026年の倒産(83件)を地区別に見ると、関東が35件(構成比42.1%)と突出しており、全体の4割強を占めます。次いで近畿・九州が各10件(同12.0%)です。競合がひしめく都市部ほど、価格競争の影響を受けやすいと言えそうです。

資本金別では、1千万円未満の小・零細規模が67.4%と約7割を占めています。大手の弁当チェーンはセントラルキッチン方式で低価格を維持できますが、個人店・小規模店ほどコスト上昇の直撃を避けられません。

人気店でも安泰ではない

実際に、8月には靖国神社近くで「海苔弁いちのや」を経営していた(株)いちのやが事業を停止しました。素材にこだわった高級海苔弁当が看板メニューで、百貨店にも出店し、テレビやSNSでも取り上げられていた人気店です。それでも原材料や人件費の高騰、出店費用の負担から資金繰りが行き詰まり、7月31日で閉店しました(一部フランチャイズは営業中)。

5月には、門前仲町で「深川太郎」を経営していた(有)太郎が東京地裁から破産開始決定を受けました。地元で長く親しまれていましたが、コロナ禍の売上低迷から回復が遅れ、そのまま行き詰まってしまいました。

地元で愛されていても、価格と質のバランスを保ちながら採算を確保できなければ、お弁当屋さんの生き残りは難しい時代になっています。

 

消費者は「高くなった弁当」をどうしている?

では、実際にニュースを見た消費者からはどんな声が出ているのでしょうか。

当サイトでは、今回のニュースに寄せられた732件の反響・口コミを収集し、その中から具体的な内容を確認できた196件を分析しました。

これは全国の消費者全体を対象にした統計調査ではなく、今回のニュースに寄せられた口コミを当サイト独自に分類したデータです。その前提で見ると、ランチ代に対する不満と節約志向がかなり目立ちました。

ニュースへの反響112件を分析

ニュースへの反響112件を分析

代表的な意見・行動を4パターンに分類したところ、次のような内訳になりました(196件のうち、明確に分類できた合計112件の内訳です。複数の要因が重なる回答や個別事情による回答は、参考として除外しています)。

  • 弁当1食700〜1,000円は高く、買わなくなった 47件(42.0%)
  • スーパーの安い弁当・惣菜へ移行 32件(28.6%)
  • 家から弁当・おにぎりを持参 19件(17.0%)
  • 安い弁当は揚げ物中心で健康面が気になる 14件(12.5%)

※上のデータは、「お弁当屋さん」の倒産、2年連続で過去最多へ(東京商工リサーチ、Yahoo!ニュース 2026年9月19日配信)を独自に分析したもの

ここから見えてくるのは、「弁当が嫌だから買わない」のではなく、「価格に対して納得できなくなったから別の選択肢を探す」という動きです。

以前なら500円前後で買えた弁当が700円、800円になれば、毎日の昼食としては無視できない差になります。月20日昼食を取るとすれば、1食200円の差でも200円×20日=4,000円です。毎日の昼食だからこそ、数百円の差が積み重なると大きくなります。

 

「安いランチ」にも、それぞれ悩みがある

「安いランチ」にも、それぞれ悩みがある

弁当屋さんから離れたとしても、誰もが満足できる代替手段があるわけではありません。実際には、それぞれに別の悩みがあります。

スーパーの安い弁当は、とにかく財布に優しい

スーパーでは、弁当や惣菜を比較的安く購入できることがあります。仕事帰りや昼休みに買うだけなので、自炊のような手間もありません。「とにかく昼食代を抑えたい」という場合には魅力的な選択肢です。

ただし、毎日食べるとなると、「また揚げ物か」「野菜が少ない気がする」「同じような弁当ばかりになる」と感じる人もいます。もちろん商品によって内容は違うため、一括りにはできませんが、価格を優先して選んでいると、食事内容まで自由に選べないことがあります。

自炊・手弁当は安くできるが、時間がかかる

自炊のメリットは、自分で内容を調整できることです。ご飯の量を減らしたり、野菜を増やしたり、好きなおかずを入れたりできますし、うまく工夫すれば昼食代をかなり抑えられます。

ただし、その代わりに必要なのが時間です。毎朝弁当を一から作るとなると、忙しい人にはなかなか続きません。「節約したいけど、朝は1分でも長く寝たい」。この問題はかなり大きいところです。

外食は満足感があるが、昼食代が膨らみやすい

「弁当が800円なら、もう定食を食べよう」という考え方もあります。温かい料理を店内で食べられる満足感はありますが、毎日外食となれば、それなりの金額になります。飲み物などを追加すると、昼食だけで1,000円を超えることも珍しくありません。

安さを優先すれば手間や食事内容が気になる。満足感を優先すれば価格が気になる。この板挟みが、今のランチ選びの難しいところです。

 

そこで選択肢になる「冷凍宅配弁当」

第三の選択肢になる「冷凍宅配弁当」

ここまで見てくると、もう一つの選択肢が見えてきます。それが冷凍宅配弁当・宅配食です。

あらかじめ自宅に冷凍状態で届くので、冷凍庫にストックしておけば、昼食や夕食に必要な分だけ取り出して電子レンジで温められます。

もちろん、スーパーの激安弁当より安いわけではありません。しかし、買いに行く時間、毎朝作る時間、メニューを考える手間まで含めて考えると、価格だけでは比較できないメリットがあります。

冷凍庫にストックできる。食べたいときに電子レンジで温めるだけ。買い物に行く回数を減らせる。弁当の献立を毎日考えなくていい。自炊より調理の手間が少ない。メニューを選べるサービスもある。

「昼食を毎日どうするか」という問題を、ある程度まとめて解決できるのがポイントです。

 

冷凍宅配弁当は本当に安い?ランチ代を比較してみた

ランチ代の比較表

ここは冷静に見ておきたいところです。冷凍宅配弁当は、300円前後のスーパー弁当より安いわけではありません。むしろ、送料まで考えれば高くなるケースもあります。

そこで、価格だけではなく手間も含めて比較してみます。

選択肢価格の目安手間買い物特徴
スーパーの安い弁当300円台〜少ない必要とにかく安く済ませやすい
弁当屋700〜1,000円前後少ない必要出来立て・店ごとの味
外食800〜1,200円程度少ない店へ行く温かさ・満足感
自炊・手弁当工夫次第大きい必要内容を自由に調整できる
冷凍宅配弁当600〜900円程度+送料など非常に少ない原則不要ストックしてレンジ調理

※価格はサービス・商品・地域・送料・キャンペーンなどによって変わります。

つまり、冷凍宅配弁当の魅力は「最安の昼食」ではなく「価格・手間・食事内容のバランス」にあります。ここを勘違いすると「スーパーの300円弁当のほうが安い」となってしまいます。実際、その通りです。だからこそ、冷凍宅配弁当は安さだけで選ぶものではないと考えたほうが分かりやすいでしょう。

「冷凍宅配弁当」のデメリットも確認しておきたい

「冷凍宅配弁当」のデメリット

便利そうに見える冷凍宅配弁当ですが、もちろん弱点もあります。

まとめて届くため、冷凍庫に余裕がないと困ります。特に10食以上を一度に注文する場合は、事前に収納スペースを確認しておいたほうが安心です。

スーパーの激安弁当より高いのも事実です。「とにかく昼食代を最安にしたい」という人なら、スーパーの安い弁当や自炊のほうが向いている可能性があります。冷凍宅配弁当は、価格を多少払ってでも時間や手間を減らしたい人向けと考えるほうが実態に近いでしょう。

商品価格だけを見ると安く感じても、送料が別にかかるサービスがあります。1食あたり○円だけではなく、商品代+送料を実際に注文する食数で割った金額を見ることが大切です。

 

人気の冷凍宅配弁当「nosh」と「三ツ星ファーム」を比較

「nosh」と「三ツ星ファーム」の比較表

冷凍宅配弁当を試すなら、よく名前が挙がるのがnosh(ナッシュ)三ツ星ファームです。どちらが優れているという話ではなく、料金や使い方に違いがあります。

比較項目nosh三ツ星ファーム
主な食数6・8・10・12食など7・14・21食
通常価格の目安10食で1食600円前後21食で1食711円
送料別途(地域により変動)コース・地域などで異なる
電子レンジ調理○(約5分)
定期便
初回割引・特典ありキャンペーン等あり
向いている考え方価格や続けやすさを重視メニューや食事の楽しさも重視

noshは6食・8食・10食に加えて、2026年7月から新たに12食プランも導入されました。通常価格は食数が増えるほど1食あたりの価格が下がる仕組みで、継続利用で割引が重なるnosh clubを使えば1食500円前後まで下がるケースもあります(12食プランの正確な価格は変更される可能性があるため、申し込み前に公式サイトでご確認ください)。

三ツ星ファームは、7食が1食927円、14食が819円、21食が711円で、まとめて頼むほど単価が下がります。14食・21食コースは初回送料無料です。和食寄りの家庭的なメニューが特徴です。

どちらも定期便なので、停止・解約の条件は申し込み前に確認しておくと安心です。

冷凍宅配弁当が向いている人・向いていない人

冷凍宅配弁当が向いている人・向いていない人

便利そうだから申し込もう、となる前に、向き不向きも考えておきましょう。

向いている人は、昼食や夕食を作る時間を減らしたい人、コンビニやスーパーへ毎日買いに行くのが面倒な人、自炊が続かない人、多少お金を払っても時間を節約したい人です。

向いていない人は、昼食代をとにかく安くしたい人、スーパーの弁当で十分満足できる人、冷凍庫にほとんど空きがない人、自炊が苦にならない人です。

冷凍宅配弁当は「誰にでもおすすめできる魔法の節約術」ではありません。「時間を買う」という考え方ができる人ほど、メリットを感じやすいサービスです。

 

まとめ:お弁当屋さんが減る時代、ランチの選び方も変わっている

ランチの選び方も変わる時代に突入

2026年のお弁当屋さんの倒産は8月までに83件に達し、2025年の89件を上回ることが確実な状況です。コメ価格の下落や消費税率引き下げという好材料があっても、食材以外のコスト上昇と競合の増加が、それ以上に経営を圧迫しています。

消費者としても、値上げした弁当を毎日買い続けるのは簡単ではありません。かといって、毎朝弁当を作る、毎日スーパーで安い弁当を探す、毎日外食する、という方法にもそれぞれ負担があります。

そんな中で、冷凍宅配弁当は「多少のお金を払って、昼食の手間を減らしたい」という人にとって、一つの選択肢になります。ただし、スーパーの激安弁当より安いわけではありません。送料や冷凍庫のスペースなども含めて、自分の生活に合うかを考えることが大切です。

「昼食を作る時間がない」「買いに行くのも面倒」「外食ばかりでは出費が気になる」。そんな人なら、一度冷凍宅配弁当を試してみるのもありでしょう。まずは初回キャンペーンや通常プランの条件を確認して、無理なく続けられるかを見てみるのがよさそうです。

nosh(ナッシュ)
三ツ星ファーム