大河ドラマで話題「平賀源内は同性愛者」は本当?史実を検証

大河ドラマで話題「平賀源内は同性愛者」は本当?史実を検証

平賀源内は同性愛者だったのか?大河ドラマ『べらぼう』で描かれる天才発明家の真実

江戸時代を彩った奇才・平賀源内。その多彩な才能と奔放な生き方は、現代の私たちをも魅了してやみません。

しかし、NHK大河ドラマ『べらぼう』で源内が同性愛者として描かれていることに、「えっ、本当?」と驚いた方も多いのではないでしょうか。

果たして、この設定は史実に基づいているのでしょうか。今回は、平賀源内の同性愛者説について、様々な角度から検証してみましょう。

この記事でわかること

  1. 平賀源内の生涯と主な業績
  2. 江戸時代の「男色」文化と現代の同性愛との違い
  3. 平賀源内の同性愛者説の根拠と考察
  4. 大河ドラマ『べらぼう』での描写と史実との関係
  5. 平賀源内の謎に包まれた最期と死因

 

歴史好き必見「「平賀源内は同性愛者」驚きの真相

江戸時代を駆け抜けた奇才の生涯

まずは、平賀源内という人物について、おさらいしてみましょう。

源内は1728年、現在の香川県さぬき市に生まれました。本草学者、発明家、文筆家など、多彩な才能を持つ人物として知られています。

「日本のレオナルド・ダ・ヴィンチ」とも呼ばれる彼の生涯は、まさに波乱万丈そのものでした。

すごい発明品とは?

源内の代表的な業績といえば、やはり「エレキテル」でしょう。

これは静電気を発生させる装置で、当時の日本では画期的な発明でした。源内は6年半もの歳月をかけて、オランダから伝わったエレキテルを修理・復元したのです。

源内の発明はエレキテルだけではありません。以下のような発明品があります。

  1. 温度計(寒暖計)
    「日本創製寒熱昇降器」と名付けられた、日本初のアルコール温度計を製作しました。
  2. 火浣布(燃えない布)
    石綿を使った不燃性の布を開発。当時としては画期的な発明でした。
  3. 量程器(万歩計)
    現代の万歩計の原型となる装置を考案しました。
  4. 磁針器(羅針盤)
    方位を知るための装置を製作しました。
  5. 刻みたばこ用点火器
    現代のライターの原型とも言える装置を発明しました。

これらの発明品を見ると、源内の好奇心と創造性の豊かさが伝わってきますね。彼の頭の中は、常に新しいアイデアで満ちあふれていたのでしょう。

平賀源内とうなぎの関係は?

源内の名前を聞いて、「あ、土用の丑の日にうなぎを食べる習慣を広めた人でしょ?」と思う方も多いかもしれませんね。

実は、この説には明確な証拠がないんです。でも、江戸っ子らしい粋な発想だったら、源内らしいですよね。うなぎ屋さんが喜びそうな話です。

源内が本当にこの習慣を広めたかどうかは定かではありませんが、彼が1774年に書いた『里のをだまき評』という著作の中で、「江戸前うなぎと旅うなぎ程旨味も違はず」と述べています。また、深川の黒江町のうなぎの名高さにも言及しています。

つまり、源内はうなぎの味の違いや、江戸の有名なうなぎ屋について詳しく知っていたようです。もしかしたら、彼自身がうなぎ好きだったのかもしれませんね。

 

平賀源内は本当に同性愛者だったの?

さて、本題の同性愛者説についてです。

江戸時代の「男色」文化

まず押さえておきたいのが、江戸時代には「男色」という文化が存在していたということ。これは現代の同性愛とは少し意味合いが違います。

当時の武士社会では、年長者と年少者の間で親密な関係を持つことが珍しくありませんでした。これは教育の一環とも考えられていたんです。

また、歌舞伎役者や遊郭の男娼「陰間(かげま)」との関係も、一般的に認められていました。

つまり、江戸時代の「男色」は、現代の「同性愛」とは異なる社会的文脈を持っていたのです。

 

平賀源内の同性愛を示す証拠は?

では、源内本人についてはどうでしょうか?

実は、源内が同性愛者だったことを直接的に示す一次資料は見つかっていません。ただし、いくつかの状況証拠はあります。

  1. 生涯独身だったこと
  2. 男色を題材にした作品を書いていること
  3. 歌舞伎役者との親密な関係が噂されていたこと

これらの事実から、源内が同性愛者だった可能性は十分に考えられます。ただし、確実とは言えないんですよね。

源内の著作『根南志具佐』は、男色を題材にした作品として知られています。この物語は、地獄に行った男が閻魔の前で「男色は女色よりも害がない」と述べるところから始まります。

また、『そしり草』という作品では、「男色の戯れは、弘法大師が唐土にて伝受して、日本に弘めしと云へり」と記しています。

これらの作品から、源内が男色文化に深い関心を持っていたことは間違いないでしょう。しかし、作品の内容がそのまま作者の性的指向を示すとは限りません。

大河ドラマ『べらぼう』での描写は史実?

2025年の大河ドラマ『べらぼう』では、安田顕さん演じる源内が同性愛者として描かれています。

これは、先ほど挙げた状況証拠や、江戸時代の男色文化を踏まえた解釈と言えるでしょう。ドラマならではの脚色も加わっているかもしれません。

ドラマでは、源内が「男一筋」であることを理由に、吉原の細見(案内本)の序文執筆に難色を示す場面があります。また、歌舞伎役者の二代目瀬川菊之丞を「思い人」として慕う様子も描かれています。

これらの描写は、史実に基づきつつも、ドラマとしての面白さを追求した結果かもしれません。

でも、こういった描写によって、私たちは江戸時代の多様な性のあり方について考えるきっかけを得られるかもしれませんね。

 

平賀源内の死因は?謎に包まれた最期

源内の人生の最後にも、謎が残されています。

殺人事件と獄中死

安永8年(1779年)、源内は殺人事件を起こして投獄されます。そして翌年、獄中で亡くなりました。

事件の詳細は以下の通りです。

  1. 源内は、ある屋敷の修繕を請け負っていました。
  2. 酒を飲んで寝てしまった源内は、目覚めた時に大事な図面や建築仕様書が見当たらないことに気づきます。
  3. 大工が盗んだと勘違いした源内は、大工を斬ってしまいました。
  4. 傷を負った大工は逃げ出しましたが、その後死亡しました。
  5. 我に返った源内は、図面や仕様書が実は自分の家にあったことに気づきます。
  6. 自らの誤解に気づいた源内は切腹しようとしましたが、知人に止められ、投獄されました。

死因については諸説あり、以下のような説があります。

  1. 破傷風説:切腹しようとした傷が原因で破傷風になったという説
  2. 自殺説:獄中で自ら命を絶ったという説
  3. 病死説:獄中で病に倒れたという説

真相は闇の中ですが、52歳という若さでの死は、多くの人々に惜しまれたことでしょう。

しかし、この事件の詳細にも疑問が残ります。源内は酒が飲めなかったという話もあり、大工たちと酒を飲み明かすという状況自体が不自然かもしれません。

また、斬られたという大工は源内と親しい仲だったとも言われており、盗みの疑いをかけるのは不自然です。

もしかしたら、この事件には別の真相があったのかもしれません。しかし、源内は獄中死してしまったため、真相を知る手がかりは残されていないのです。

 

平賀源内についてのQ&A

平賀源内は本当に天才だった?

多彩な才能を発揮した源内は、間違いなく非凡な人物でした。ただし、一部の業績は誇張されている可能性もあります。例えば、エレキテルの修復は6年半もの歳月をかけて行われたものであり、「天才的な閃き」というよりは、粘り強い努力の結果かもしれません。

平賀源内の性的指向は、当時問題にならなかった?

江戸時代の男色文化を考えると、仮に源内が同性愛者だったとしても、大きな問題にはならなかった可能性が高いです。むしろ、当時の文化人や武士の間では、男色は一般的な文化でした。

平賀源内の業績で、現代にも影響を与えているものはある?

エレキテルの研究は、日本の電気工学の発展に寄与したと言えるでしょう。また、本草学の研究は、日本の博物学の基礎となりました。さらに、彼の発明した万歩計や寒暖計の原理は、現代の機器にも生かされています。

 

まとめ:平賀源内と同性愛者説の真実

平賀源内の同性愛者説は、確実な証拠はないものの、十分に可能性のある解釈と言えるでしょう。

それ以上に注目すべきは、源内の多彩な才能と、時代を先取りした自由な生き方です。発明家、学者、文筆家として、江戸時代の文化に大きな影響を与えた源内の生涯は、現代を生きる私たちにも多くの示唆を与えてくれます。

源内は、常識にとらわれない自由な発想と、新しいものを生み出す創造性を持っていました。そんな彼の生き方は、私たちに「既存の枠にとらわれず、自分の可能性を追求することの大切さ」を教えてくれているようです。

大河ドラマ『べらぼう』を通じて、こんな魅力的な歴史上の人物に出会えたことを、ちょっと嬉しく思いませんか?源内のような自由な発想と行動力、私たちも見習いたいものです。

覚えておきたいポイント

  1. 平賀源内は多彩な才能を持つ江戸時代の発明家・学者・文筆家だった
  2. エレキテル、温度計、火浣布など、多くの画期的な発明品を生み出した
  3. 江戸時代の「男色」文化は現代の同性愛とは異なる社会的文脈を持っていた
  4. 源内が同性愛者だったという直接的な証拠はないが、いくつかの状況証拠がある
  5. 大河ドラマ『べらぼう』での描写は、史実と脚色の両面を含んでいる可能性がある
  6. 源内の死因には諸説あり、真相は謎に包まれている
  7. 源内の生涯は、既存の枠にとらわれない自由な発想と創造性の重要性を教えてくれる