ギャンブル依存症をチェック! 自分が危ないか確認する3つの方法

ギャンブル依存症をチェック! 自分が危ないか確認する3つの方法

ギャンブル依存症とは、単にギャンブルを楽しむことから一歩進んで、やめたくてもやめられない状態を指します。

今回は、ギャンブル依存症のチェック方法から始めて、なりやすい人の特徴や原因、診断基準、治療方法に至るまで、幅広く探ってみましょう。今回はまじめな記事なので文章が硬いです。御了承ください。

 

ギャンブル依存症のチェックってどうやるの?自己診断で見つかるサイン

ギャンブル依存症のチェック方法

大石クリニックの診断チェックリスト

大石クリニックによる診断チェックリストは、具体的な質問を通じて個人のギャンブル行動の特徴を教えてくれます。

このチェックリストでは、ギャンブルの頻度や最高額、家族歴に関する質問が含まれており、回答に基づいてギャンブル依存症の可能性を評価します。

これらの質問は、個人が自身のギャンブル行為を振り返り、問題のある行動パターンを自覚する機会を提供します。

ギャンブル依存症 診断チェック - 外来治療と家族相談、回復施設|大石クリニック

ギャンブル依存症かどうか診断チェックすることができます。このチェックリストはDSM-5の診断基準から修正・日本語版SOGSとして全部で16項目の質問に回答します。点数を合…

全国公営競技施行者連絡協議会のセルフチェックツール

全国公営競技施行者連絡協議会が提供するセルフチェックツールは、ギャンブルに関する10の質問から構成され、簡易的ながらもギャンブル依存症の診断を行うことができますよ​​。

このツールは、ギャンブルの問題を疑う人々が初期段階で自分自身を評価するための便利な手段を提供し、問題のあるギャンブル行為に早期に気づくきっかけとなり得ます。

ギャンブル依存症セルフチェック

このチェックツールにつきましては、公営競技施行者連絡協議会が行う事業として、いわゆる「ギャンブル等依存症」について簡易的に診断を行うものです。

PGSI日本語版

PGSI日本語版は、ギャンブル問題の自記式スクリーニングテストで、過去12ヶ月間のギャンブル行為に関する9問の質問を含んでいます​​。

このテストは、ギャンブルによって引き起こされる問題の程度を評価するために開発され、世界中の多くの研究で使用されています。

質問に答えることで、個人は自身のギャンブル行為が引き起こす可能性のある問題について考える機会を得られます。

 

ギャンブル依存症になりやすい人の特徴

ギャンブル依存症になりやすい人には特定の傾向が見られるようです。

例えば、高揚感を追求しやすい性格、ストレスが高い環境にいる人、またはギャンブルをする家族がいる背景を持つ人などが該当することが多いようです。

特に、家族内でギャンブルが普通のこととされている場合、その行動を模倣しやすくなります。

依存症になりやすい人の特性

  • 心理的特性
    ギャンブル依存症になりやすい人は、一般的に自己肯定感が低く、完璧主義的な傾向があることが多いです。また、ストレスや不安、孤独感といった感情を適切に処理する手段を持たず、ギャンブルをストレス発散や逃避の手段として利用することが多いです。
  • 行動特性
    短期間で簡単に満足感や報酬を得られることへの偏向が見られます。目標達成のために時間や労力をかけることに苦手意識を持ち、すぐに結果が出るギャンブルに手を出しやすいという特性があります​​。
  • 社会的・環境的要因
    ギャンブル依存症になりやすい人は、ギャンブルが身近な環境にある場合や、遊戯や賭け事に親しんでいる背景があるといわれています。さらに、依存症は本人が自覚しにくいという特徴も持っており、周囲の人が異変に気づき相談することが大切とされています。

 

幼少期の経験が原因?

幼少期の経験は、ギャンブル依存症をはじめとする様々な依存症や心の問題に深く関わっているようです。

研究によれば、ギャンブルをする親を持つ家庭で育った子どもが依存症になる確率は高く、これは幼少期の環境が大人になってからの行動パターンに強い影響を与えるためです。

幼少期に経験する虐待やネグレクト(育児放棄)、また親からの過干渉や過保護などは、成人後の様々な心の問題や障害につながることがあります。

これらの経験は、アダルトチルドレンや発達性トラウマ障害など、成人後に発症するさまざまな障害の根底に関わっていることが知られています。

幼少期の不安定な環境や不適切な親子関係は、自己認識やコーピングスキル(問題解決能力)の発達に影響を及ぼします。

ギャンブル依存症を含む依存症の治療過程では、これらのスキルの獲得が回復に向けた大きなステップとなるため、幼少期の経験を理解し、それに基づいた治療を行うことです。

また、幼少期の経験は、ギャンブル依存症の治療における心理的側面の理解にも役立ちます。

例えば、低い自己肯定感や不安を感じやすい人は、ギャンブルによる一時的な成功体験でこれらの感情を緩和しようとします。治療では、このような心理的側面を考慮に入れ、新しい対処方法や自己肯定感の向上に取り組む必要があります。

このように、幼少期の環境や経験が成人後の心の健康に与える影響は深刻であり、ギャンブル依存症の治療だけでなく、一般的な心理療法においても重要なファクターとして取り扱われます。

適切な治療とサポートにより、幼少期の経験がもたらすネガティブな影響を乗り越え、健康的な生活を取り戻すことが可能です。

 

診断基準

ギャンブル依存症の診断基準には、DSM-5やICD-10など、国際的な精神障害の分類体系に基づくものがあります。

これらは医療専門家による診断に用いられ、ギャンブルによる悪影響やコントロールの喪失、撤退症状など複数の項目を基に評価されます。

DSM-5では、ギャンブル依存症を「行為・過程アディクション(嗜癖障害)」の一種として分類しています。この障害は、ギャンブルの行為や過程に心を奪われ、やめたくてもやめられない状態になることを特徴としています。

DSM-5におけるギャンブル依存症の具体的な診断基準には以下のような項目が含まれます。

診断基準項目

  1. 掛け金が増えていく
  2. ギャンブルをやめたりするとイライラする
  3. やめようとしても失敗する
  4. ギャンブルをいつも考えてしまう
  5. 辛い気分の時にギャンブルする
  6. 失った金を別の日に取り戻そうとする
  7. ギャンブルにのめり込んでいることを隠すために嘘をつく
  8. ギャンブルのために人間関係、仕事、学業などを犠牲にする
  9. 他人の金に頼る

この項目のうち、8〜9項目に当てはまる場合は重症、6〜7項目で中等症、4〜5項目で軽症と分類されます。

日本におけるギャンブル依存症の有病率は非常に高く、男性8.7%、女性1.8%、全体で4.8%に上り、これはアメリカやイギリス、香港、マカオ、シンガポールなど他の多くの国々と比較しても突出して高い数値です。

ギャンブル依存症の主な症状には、借金や嘘が顕著であり、家族関係の混乱や破綻も珍しくありません。ギャンブルをすることが習慣化し、病的習慣(嗜癖)となり、仕事よりもギャンブルを優先する傾向があります。

治療には、精神療法や集団療法が主になり、ギャンブルを止め、健康な人間関係を取り戻すことが目的です。ただし、治療を成功させるには長期間が必要であり、ギャンブラーズ・アノニマス(GA)といった自助グループの活用も有効であるとされています。

 

末期の症状

ギャンブル依存症が末期に差し掛かると、その影響は単に財政的な問題にとどまらず、精神的・身体的健康、家庭や職場での人間関係にまで及びます。

末期の症状には極度のうつ症状、自殺念慮、財産の全喪失などが挙げられ、うつ症状の進行はセロトニンやドーパミンなど神経伝達物質のバランスの崩れにより引き起こされることがあります。

この段階に至ると、自殺を試みる確率が約30%にも上ると言われ、専門の医療機関での治療が命に関わるほど重要になります。

末期のギャンブル依存症者は、多重債務者になることや、家の物を勝手に換金する行為、闇金からの借入れに手を出すなど、現実からの逃避行動を取りがちです。このような行動は、依存症者にとってはギャンブルができるかどうかが唯一の基準となり、それが現実逃避の手段となります。

治療へのアプローチとしては、認知行動療法が有効であり、ギャンブルをしてしまう原因となる考え方や行動に対処するスキルを身につけることが目的です。また、精神状態に応じては、抗不安薬や睡眠導入剤など薬物療法も選択肢となり得ます。

 

病院と薬

ギャンブル依存症の治療には、多角的なアプローチが必要と言われています。

特に病院での治療は、薬物療法に頼ることなく、心理療法や行動療法などを中心に行われます。また、患者さんの精神状態や背景に応じて、内観療法やアンガーマネジメントプログラムなどが用いられることもあります。

具体的な治療プログラムの一例として、「SWITCH」があります。

これは、ギャンブルをやめたいけれどやめられない人々へ向けた全8回のプログラムで、患者さん一人ひとりの状況に合わせて調整が可能です。プログラムでは、ギャンブル依存の原因を多角的に検証し、具体的な対策を立てていきます。

京都府立洛南病院では、ギャンブル依存症の治療を外来中心で行っており、必要に応じて1か月の入院治療を行うこともあります。治療方法としては、心理療法や薬物療法、作業療法、生活環境調整などを組み合わせています。

治療費については、「病的賭博」などの診断名がつく場合、基本的に保険が適用されます。初診時の費用は大体2000〜6000円程度で、入院が必要になった場合は月に約16〜20万円程度が目安となります。75歳以上の方は、1割負担で治療を受けることが可能です。

また、病院以外の支援として「ギャンブラーズ・アノニマス(GA)」のような自助グループがあります。

これらのグループは、同じ依存症の問題を抱えた人々が互いの経験を共有し合い、相互支援を行うことで、依存症からの回復を目指します。参加は基本的に無料であり、治療の補完として非常に有効です。

ギャンブル依存症の治療は、薬物だけに頼るものではなく、心理的なサポートや行動変容を促すプログラムが中心です。治療には家族の理解とサポートも大切であり、患者さん一人ひとりに合ったアプローチが求められます。

 

家族の対応

ギャンブル依存症に苦しむ家族を持つ方々への対応は、非常に繊細で、対策を講じる上での理解と知識が必要です。

家族がギャンブル依存症の人をサポートする上で、心がけるべきポイントをいくつか紹介します。

ギャンブル依存症の症状を理解

まず、ギャンブル依存症は、コントロールができなくなること、問題の直視ができないことなど、特定の症状が現れることが指摘されています。

依存症になると、脳の変化が起こり、以前よりもさらなるスリルを求め、焦燥感や不安を感じるようになります。これらの理解は、依存症の家族をサポートする第一歩となります。

家族の適切な関わり方

依存症の家族を支える際には、「イネーブリング」という行為に注意が必要です。

イネーブリングは、依存症の人が問題を認めず、治療を受けることを拒否するような状況を、無意識に助長してしまう家族の行動を指します。

たとえば、「またギャンブルをしてしまったのね」と責めることは、本人が問題を隠そうとする原因にもなりかねません。代わりに、オープンに話し合い、信頼関係を築くことが、治療への第一歩になります。

家族向けプログラムの活用

大石クリニックでは、依存症に関する正しい知識を学ぶ家族勉強会や、本人との良好な関係性を築くためのクラフト(CRAFT)プログラムなど、家族が適切なサポートを学べるプログラムが用意されています。

これらのプログラムを通じて、依存症の基本的な知識や、効果的なコミュニケーション方法を学ぶことができます。

サポートグループの活用

全国ギャンブル依存症家族の会など、ギャンブル依存症を抱える家族のためのサポートグループもあります。

これらのグループでは、同じ悩みを持つ人々が集い、経験や解決策を共有することができます。予約不要で参加でき、秘密厳守のもとで行われるため、気軽に参加することが可能です。

ギャンブル依存症の家族を持つことは大変なストレスですが、正しい知識を持ち、適切なサポートを行うことで、依存症の家族が回復へと向かうことを助けることができます。

 

治し方

ギャンブル依存症の治療には、様々なアプローチが存在し、それぞれが依存症を克服するための大切な役割を果たします。

主な治療方法としては、自助グループの活用、心理療法、薬物療法などがあり、これらは一人ひとりの状況やニーズに合わせてカスタマイズされることが一般的です。

自助グループ

自助グループでは、同じ問題を抱える人たちが集まり、相互に理解し支援し合います。これにより、問題を共有し、乗り越えるための希望やヒントを得ることが可能です。

具体的には、ギャンブル依存症の人々が自身の経験を共有し、互いに学び合う場を提供します。また、家族を対象としたセミナーや勉強会もあり、ギャンブル依存症に関する正しい理解や、依存症を持つ家族への対応方法を学ぶことができます。

心理療法

心理療法には、認知行動療法や集団精神療法などがあり、ギャンブルに対する衝動を抑える技術や、問題行動に対処するための方法を身につけることが目的です。

集団精神療法では、他の参加者との交流を通じて、自己理解を深めたり、回復に向けた自信を高めたりすることができます。認知行動療法では、ギャンブルの引き金となる思考や行動を特定し、それらに対処する新しい方法を学びます。

薬物療法

ギャンブル依存症の治療において、薬物療法が適用されることもあります。特に、依存症に伴う不安やうつ症状を軽減するために、抗不安薬や気分安定薬などが処方されるケースがあります。

これらの薬は、ギャンブルによる精神的ストレスを緩和し、治療への取り組みをサポートする役割を果たします。

精神科訪問看護

また、精神科訪問看護を利用することで、自宅で看護師や専門スタッフから直接サポートを受けることができます。

これにより、健康状態の観察や服薬管理、生活リズムの調整など、日常生活における具体的な支援を受けることが可能です。

治療を成功させるためには、患者本人が治療に前向きに取り組む意欲を持つこと、そして家族や友人からの理解と支援が不可欠です。

ギャンブル依存症の治療は長期にわたることが多く、場合によっては2年以上の通院や、必要に応じて入院治療を行うこともありますが、適切な治療を受けることで、健康的な生活を取り戻すことが可能です。

ギャンブル依存症からの回復は容易ではありませんが、多様な治療オプションと支援システムを活用することで、多くの人が健康を取り戻し、再び社会で活躍することができます。

 

【まとめ】ギャンブル依存症をチェック! 自分が危ないか確認する3つの方法

ギャンブル依存症は、個人の生活だけでなく、その家族や周囲の人々にも大きな影響を及ぼす病気です。

ただし、適切な治療とサポートを受けることで、回復は十分可能です。その鍵となるのは、依存症を取り巻く社会的な認識の変化と、早期発見、早期介入です。

依存症に対する偏見を減らし、理解を深めることで、より多くの人が必要なサポートを受けやすくなります。

ギャンブル依存症の人々やその家族が直面する困難は決して軽視できないものですが、専門家の手による適切な治療計画の下で、多くの人が健康的な生活を取り戻しています。大切なのは、一人で悩まず、専門機関やサポートグループに相談する勇気を持つこと。また、家族が情報を得て、サポートの方法を学ぶことです。

ギャンブル依存症は単なる「意志の弱さ」ではなく、深刻な心の病として捉え、適切な治療を受けることが回復への第一歩です。そして、この病気との戦いは、本人だけのものではありません。家族、友人、そして社会全体の理解と協力が必要です。