メッシのファールプレーはレッドかセーフか?VARが介入しなかった真相をわかりやすく解説

ノーカード。それだけだった。
W杯2026グループステージ、アルゼンチン対アルジェリア。リオネル・メッシ(38)が後ろから相手のふくらはぎを踏み込んだシーンが、SNSで一気に拡散しました。元代表選手や元審判が「100%レッド」と声を上げ、コメント欄は賛否の嵐に。
As a Messi fan I must confess he's really been favoured by referee. That's a red card offence! Period! pic.twitter.com/y1CnqFIVfG
— RAZOR BLADE (@razorblade300) June 17, 2026
メッシは100%レッドカードだった。
— TotalNewsWorld (@turningpointjpn) June 17, 2026
ESPN FC・解説者、アレ・モレノ「100%メッシへのレッドカードだった。そうすべきだった。本当にそうすべきだった。
気になることがある。それは“偉大な選手は特別扱いされる”という見方につながることだ。… pic.twitter.com/RCAjaocRKA
これめっちゃ気になったので、ヤフコメを独自に集計・分析してみました。
ただ、読んでいくうちに気づいたことがあります。怒りの矛先が「メッシ」ではなく、別のものに向いていたんです。

この記事では、コメントデータから見えてきた世論の実態と、今大会のVAR・審判問題の構造的な背景を掘り下げます。

| 感情カテゴリ | 割合 | 代表的な声 |
|---|---|---|
| 審判・VARへの批判・不信 | 45% | 「VARは何のためにある?」「恣意的な運用だ」 |
| 懐疑的擁護(故意ではないが処罰は必要) | 25% | 「故意じゃなくてもイエローは出すべきだった」 |
| 冷笑・諦め(今更・終わったこと) | 15% | 「審判の判定が全て。覆らないんだから仕方ない」 |
| メッシ擁護 | 10% | 「足を引いていた。故意ではない」 |
| 驚き・その他 | 5% | 「ハットトリック自体はすごい」 |
※本記事のデータは、2026年6月18日時点で当該ニュースに寄せられたコメントのうち、特に反響の大きい「おすすめ順」の上位150件を抽出し、独自の感情分析を行ったものです。記事公開後もコメントは増加するため、現時点の総数とは異なる場合があります。
あわせて読みたい
W杯をめぐる世論分析の別事例として、本田圭佑の解説評価も同じ手法で検証されています。
W杯・本田圭佑の解説が「面白い」と話題!ヤフコメ1,000件を分析して見えた評判の真相
メッシのあのプレー判定はレッドかセーフか?ヤフコメで何が怒っているのか

最も共感を集めたのは「メッシへの批判」ではなかった
コメントを読み込んでみて気づいたのは感情の向き先でした。
「特別扱い」「忖度」というワードは確かに繰り返し出てきます。でも、よく読むとそれはメッシ個人への憎悪ではなく、「なぜVARが動かなかったのか」「審判はどこを見ていたのか」という制度への疑念がほとんどでした。

共感数の多いコメントを拾うと、こんな声が並んでいました。
- 「VARは何のためにあるの?人の目の限界を補うために導入したはずなのに、確認する人間が正常な判断できなければ意味ない」(共感84件)
- 「カタール大会の前半みたいに、機械的にVAR判定をやっていれば試合結果もかなり変わる。結局途中からグダグダな運用になって、今やむしろ恣意的に使われる始末」(共感109件)
- 「前回大会2022も明らかなアルゼンチン忖度で冷めてサッカーを見なくなった」(共感24件)
怒りの構造をよく見ると、「メッシが悪い」ではなく「メッシを退場にできない空気を許している仕組みが悪い」という批判が多数派でした。これは意外と見落とされがちな視点です。
静止画とスロー映像で印象がまるで違う問題

もうひとつ繰り返し出てきたのが、「静止画とスロー映像で判断が変わる」という指摘でした。
共感263件を集めたコメントに、「静止画で確認するのはオフサイドラインやゴールラインなど『線』の確認で、踏みつけの有無を静止画で判断するのはそもそも違う」という趣旨の声がありました。
これは技術的にも筋が通っています。接触の強さや故意性は、映像の流れの中でしか判断できない。
実際、リアルタイムで試合を見ていた人からは「踏んだ直後に力を抜いていた」という証言が多く、「あの状況で瞬時に力を抜けるのが一流の証」という擁護も一定数ありました。
ただ、それが免罪符になるかどうかはまた別の話です。
メッシのファールプレー判定 今大会VARが機能しない3つの構造的理由
今大会は「カードを出さない」方針に傾いている

コメント欄で繰り返し指摘されていたのが、今大会全体のレフェリングの傾向です。
「序盤にイエローを出しすぎて批判が続出した後、審判が大人しくなった」というのは複数のコメントで共有されていました。
大会初期の厳格な運用がSNSで叩かれ、その後カードの数が目に見えて減ったとすれば、それは審判への圧力が実際に判定を変えたことになります。これはかなり深刻な問題です。
試合スピードの維持を重視する運営方針も影響していると見ていいでしょう。飲水タイムの強制導入で試合が止まりやすくなっているぶん、プレーの流れを切らないようにファールを流す方向へのバイアスがかかっている可能性があります。
ちょっと余談ですが、ロナウドが41歳だと最近知って驚いたというコメントが共感を集めていました。あの2人がまだ同じ大会に出ているという事実が、今大会のそこはかとない「現実感のなさ」に拍車をかけているのかもしれません。
商業利益とFIFAの思惑がレフェリングに影響している可能性

「メッシが退場になったら、放映権を持つ企業がとんでもない損失になる」このコメントは共感こそ少なかったですが、核心を突いています。
W杯の放映権料はここ数大会で急騰しており、スター選手の出場時間は視聴率に直結します。審判個人が意識するかどうかにかかわらず、「退場させるとどうなるか」という空気は確実にピッチに漂っています。
「エンタメ化するW杯」という批判はコメント欄に複数ありました。選手は「商品」であり、スーパースターを退場させることはスポンサーへの損害でもある。綺麗事ではなく、これが現実のサッカー経済の構造です。
VARそのものの運用設計に根本的な欠陥がある

「VARがスクリーンに映像を流さず、審判だけが確認する」という仕組みへの不満も根強くありました。
IFABの公式VARプロトコルによると、VARが介入できるのは「明らかかつ明白なエラー(clear and obvious error)」または「重大な見逃し(serious missed incident)」に限定されています(IFABの公式VARプロトコル全文)。つまり、「グレーゾーン」の判定はそもそもVARの介入対象外です。
今回のメッシのプレーがその「グレーゾーン」に入ると判断されたなら、VARが動かなかったこと自体はルール上は正しい。でも問題は、その線引きを誰も確認できないことです。
プロセスが見えない判定に、見ている側が不信を抱くのは当然の反応です。
カタール大会で「三笘の1mm」が精密に検証されたことを覚えているでしょうか。同じVARという技術を使って、あるシーンは0.1mm単位で計測され、別のシーンは目視だけで流される。
この一貫性のなさが、VARへの信頼を根本から掘り崩しています。
メッシのファールプレー判定から見えた「サッカーの構造的矛盾」私の考察
ここからは私の持論です。データを見て感じた「違和感」を3つ書きます。
「故意かどうか」を基準にする限り、VARは永遠に機能不全のまま
アンリが「悪意がなければレッドにはならない」と発言し、批判を浴びました。でも、私が引っかかるのはアンリの発言の内容よりも、そもそも「故意性」を判定基準にしているルール設計そのものです。
故意かどうかは、本人にしかわからない。
「踏みかけて咄嗟(とっさ)に力を抜いた」は、技術の高さの証明にもなれば、計算されたズルさの証明にもなります。どちらにも読めるプレーに「悪意なし」と結論づけるのは、審判の主観を無制限に信頼することと同じです。
コメントにあった「故意かどうかではなく結果で判断すべき」という声の方が、制度論としてはよほど筋が通っています。
スター選手は「退場させられない空気」を自分で作っている
「メッシは昔からカードが出にくい選手だ」という指摘が複数のコメントにありました。これはメッシが悪いという話ではありません。
ここが誰も言いたがらない部分だと思うのですが、審判は試合中に「このプレーをどう裁定したら試合が丸く収まるか」を無意識に計算しているのではないか。
特定の選手を退場にすることで試合の価値が下がる、スタジアムが沸かなくなる、ベンチやサポーターの反応が怖い。そういった「裁定の外側にあるプレッシャー」が、長年の実績を持つスター選手の周りには自然と形成されます。
これはメッシ個人の問題ではなく、スポーツが大きなビジネスになった時に避けられない構造的な問題です。ただ、それを「仕方ない」で終わらせると、ルールブックは飾りになります。
本当の問題は「判定の甘さ」ではなく「一貫性のなさ」

少し脱線しますが、日本対オランダ戦での谷口・久保へのファールについても、コメント欄で何度か言及がありました。あれもひどかった、という声です。確かに、あのシーンも映像で見れば十分にレッドを議論できる内容でした。
そして、それがお咎めなしで流されたという事実が、今回のメッシへの怒りと地続きになっています。
つまり問題の本質は、「メッシが得をした」ことではなく、「判定の基準が試合によってバラバラ」だということです。
ある試合では0.1mm単位で映像を検証し、別の試合では目視で流す。ポッド1(上位シードの強豪国)のチームには甘い傾向があると複数のコメントが指摘していましたが、それが本当なら、VARは「公正化のツール」ではなく「後付けで正当化するためのツール」になっています。
一貫性のない基準は、どんな判定を下しても不信を生みます。今大会がこの問題を放置したまま終わるなら、次の大会でも同じ炎上は繰り返されます。
まとめ:メッシのファールがノーカードになった理由とは?判定が問いかけていること

コメントデータを読み込んで、今回の炎上の正体がわかりました。
これはメッシ個人への不満ではありません。審判・VAR・FIFAの運用体制に対する、長年溜まってきた不信任投票です。
「今更言っても仕方ない」という諦めのコメントが全体の15%を占めていたことが、その証拠だと思います。何度指摘しても変わらないと、人は怒りではなく諦めを選ぶようになります。
メッシの次戦以降、VARがどのシーンで動いて、どのシーンで沈黙するかを見ておくといいかもしれません。そのパターンに一貫性があれば、今回は本当にグレーゾーンの判断だったと言えます。でも、また似たようなシーンでVARが動かなければ、答えは出ています。
あなたは今回の判定、どう見ましたか。


